CPUとはパソコンの頭脳と言われるパーツ。
今回は、そんなCPUの性能を示す数値として表示されている、「コア」「スレッド」「クロック周波数」といった数字を中心に解説していきます。
CPUとは
CPUとは、Central Proxessing Unitの略で中央処理装置という意味です。
パソコンの中心となり、全体の処理や計算を行うまさにパソコンの「頭脳」と言えるパーツとなります。
よって、このCPUの性能の高さがパソコンの良し悪しを決めると言っても過言ではありません。それほど重要なパーツというわけです。
CPUの各性能・スペックを解説
CPUの性能を図る数値として、以下の項目を押さえておきましょう。
- コア
- スレッド
- クロック周波数
- TDP
- プロセスルール
コア
CPUには、さきほど触れた中央処理装置がいくつか搭載されています。この数のことをコア数といいます。
簡単にいうと、コア数とは「CPUパーツの中にいくつのCPUが入っているか」ということを示します。一昔前までは、コア数が一つの1コアが主流でしたが、現在は複数のコアを搭載したマルチコアが主流となっています。
マルチコアは、コア数によって呼び名があります。
- 1コア:シングルコア
- 2コア:デュアルコア
- 3コア:トリプルコア
- 4コア:クアッドコア
- 6コア:ヘキサコア
- 8コア:オクタコア
- 10コア:デカコア
このように、コア数によって呼び名が異なるので、「クアッドコア」と書かれている場合でもコア数が分かるようにしておきましょう。
ちなみに、10コア以上になると呼び方が「デカデカ」となるため、「12コア」「24コア」とそのままのコア数で呼ばれています。
コア数が多いと性能が上がる
CPUはシングルコアよりもデュアルコアといった、コア数の多いCPUの方が性能は高いです。ここでは、この理由について解説します。
シングルコアの場合、仕事をこなせる頭脳は一つしかありません。そのため、「Web閲覧だけ」「メールだけ」というように使用用途が少ない方にとっては、コア1つで間に合っていました。
しかし、それから数年が経ちWindowsVistaになってからは、動作に必要な処理性能は大きく進歩し、シングルコアでは追いつかなくなりました。
その結果、より処理能力の高いCPUが開発され誕生したのが「マルチコアCPU」です。これにより、仕事ができる頭脳の数を増やしたことで、同時にこなせる仕事の数が増えました。
まとめると、CPUはコア数が多ければ多いほど性能が高いものと言えます。今やアプリやブラウザを同時にいくつも起動して作業を行うのが当たり前なので、デュアルやクアッドコアを選びたいですね。
スレッド
CPUにおいて、コア数と同じく数を表しているのが「スレッド」です。
CPUのスペック表には、「4コア4スレッド」や「4コア8スレッド」といったように、コア数とスレッド数が表記されているのが一般的です。
スレッド数とは、搭載されているCPUあたり、同時にこなせる仕事の数のこと。1コアあたり2スレッドとするなら、最大で2つの仕事を同時に処理できるので、性能の効率アップとなります。
ただ、処理が効率化されるため体感上の性能は向上します。例を挙げると、4コア4スレッドのように「コア数」と「スレッド数」が同じだと、与えられた仕事に対しコアに余力を残ることがあり、CPUの真価を発揮しきれません。
そこで、CPUのスレッドを4コア8スレッドのように、スレッド数を増やして挙げると余力がある部分に効率よく使うことができるので、CPUがよく働き性能が上がります。
まとめると、スレッド数はCPUの中に実際に複数のコアが入っているわけではなく、1コアあたりの同時にこなせる作業数のことを言います。
コア数と比べると性能に与える影響は小さいと感じるかもしれませんが、スレッド数が確保されていると、CPUの余力部分において能力を効率よく活用できます。これにより、マルチタスクを行う際に大きな性能の違いを体感できるのです。
クロック周波数
クロック周波数は、「1.8GHz」「2.4GHz」と書かれている数字でCPUの処理速度のことを示します。この数値が高ければ高いほど、処理できる情報量が増えて性能が高くなります。
周波数には、Hz(ヘルツ)という単位が使われていて、1000MHz以上は1GHzになります。最近だとGHz以上が当たり前なので、MHzという単位は使われていません。
そして、現在はターボブーストテクノロジー(TB)という機能により、CPUのクロック数が変動するようになっています。
例えば、4GHzのCPUでも、作業が少ない時は3GHzで動き、逆に忙しい時は4.5GHzで動いたりします。CPUの性能表を見ても、「定格4GHz、最大4.5GHz」というように表記されるのが一般的です。
まとめると、クロック周波数は数値が高ければ高いほど、パソコンの処理性能は上昇します。「周波数が高い=性能が良い」という認識でOK。しかし、2020年現在においてクロック周波数は5.0GHzを堺に進歩がありません。
理由としては、性能をあげるためにクロック周波数をあげようとすると、今度は熱に耐え切れずオーバーヒートしてしまうからです。そのため、CPUはクロック周波数周波数を挙げる以外の方法で進歩をしてきました。
- コア数を挙げる
- プロセスルールを増やす
- キャッシュを増やす
将来的には、クロック周波数を上げたことによる温度上昇に耐えうる材質が開発されれば、この問題を解決できいるので期待ですね。
TDP(熱設計消費電力)
TDPは「Thermal Dessign Power」の略で熱設計電力という意味です。これは、CPUが発する最大熱量を表していて、この値が高いほど消費電力が高いことを意味します。
TDPを確認することで、CPUがフルに動作している状態での最大熱放熱量を表すため、TDPの値を見てパソコンにどの程度の冷却性能を持たせる必要があるかが分かります。
例えば、TDPの値をもとに数値が高ければ、冷却効果の高い「PCケース」や「CPUクーラー」を用意する必要がでてきます。
このように、パーツ選びをする際に決め手となる数値なのでしっかりと見ていく必要がある数値となります。
プロセスルール
プロセスルールは、CPUの内部の細やかさの事。
この数値が小さいほど、CPUの中にたくさんの回路を詰め込むことができるので、電気が通る距離も短くなり消費電力や発熱の低減に繋がるというわけです。
しかしプロセスルールは、CPUの性能表には一般的に出てきません。よって、あまり目にする機会はないので特に気にする必要はありません。
プロセスルール | CPU |
---|---|
12nm | 2018年 第2世代 Ryzen |
14nm | 2015年 第4世代〜第9世代 Core、Ryzen |
22nm | 2012年 第3世代 Core、第4世代 Core |
28nm | 2014年 AMD A シリーズ(2014以降)、Athlon / Sempron |
32nm | 2010年 第一世代後期 Core i5 / Core i3、第二世代 Core、AMD FX、初期Aシリーズ |
まとめ
今回はCPU内部のパーツの各性能について解説してきました。
自作でパソコンを購入する人や、パソコン選びの際にCPUで迷う人は、こういった項目を一つづつ解消していくと、CPU選びがバシッときまります。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。